2024.07.25
火災保険への加入は新築住宅に必須?補償される内容や金額を紹介
新築住宅を建てる際には、もしもの時を想定した上で、保険に加入する人がほとんどです。火災保険は火災だけでなく、台風や落雷などの自然災害の際にも補償されるため、新築住宅を建ててすぐに加入して、災害に備えます。
しかし、火災保険といっても、契約する内容によっては補償されない場合もあり、ある程度の理解が必要になります。
そこで、本記事では、火災保険の概要と補償される内容、メリットとデメリットなどを紹介します。記事の後半では、火災保険の保険料についても解説しているので、これから新築住宅を建てて、火災保険への加入を考えている方は、最後までご覧ください。
1.火災保険とは?
火災保険とは、住宅の建物本体や建物内にある家財道具が火災等の災害により損壊した際に、一定の金額が補償されるものです。火災保険で補償される内容を以下に紹介しますが、地震や津波による損害は火災保険だけでは補償されないため、注意が必要です。
火災保険で補償される内容
火災保険は保険会社により内容に違いがありますが、おおよそは以下に紹介する内容が補償されます。
- 火災
- 落雷
- 爆発
- 台風
- 水災
- 落下物
- 水漏れ
- 盗難
- 偶発的な事故による破損
火災保険は、火災だけでなく、落雷やガス等による爆発による被害に対しても補償されます。さらに、昨今、発生が多くなっている線状降水帯による大雨や台風などの被害に対しても補償される保険もあります。
上記の内容は、一般的な火災保険で補償される内容ですが、契約内容によっては、補償される内容が制限されている可能性があるため、契約の際の確認をしておきましょう。
2.火災保険に加入した方が良い理由
新築住宅を建てた後には、火災保険に加入する場合がほとんどです。しかし、中には実際に火災保険が必要なのか疑問に思う方もいることでしょう。火災保険は、加入の義務があるわけではないからです。
そこでここでは、火災保険に加入した方が良い理由を紹介します。火災保険に加入した方が良い理由には主に以下の2つがあります。
- 住宅ローンを借りる際の条件
- いざという時の備え
それぞれの理由を詳しく解説します。
住宅ローンを借りる際の条件
火災保険の加入は、住宅ローンを借りる際の条件となっている場合がほとんどです。火災保険に入っていない場合、もし住宅が火事などの災害により住めなくなった場合に、住宅ローンの返済だけが残ってしまい、契約者は困窮してしまいます。
住宅ローン会社は返済が滞ると困るため、もし災害が起きても補償金で建て直しができるように、火災保険への加入を必須としている場合がほとんどです。
いざという時の備え
火災保険に加入しておくと、もし火災や自然災害が起こり、住宅が全壊してもその後の住む場所で悩む必要がなくなります。現在は、頻発する地震だけでなく、急な大雨や線状降水帯の発生により洪水が発生し、住宅が被害に合う可能性は誰にでもあります。
また、自宅で火災が起こらないように気をつけていても、隣の家から燃え移り、火災になる可能性もあります。その際に火災保険に加入していなければ、自費で修繕を行う必要があるため、事前に備えておく必要があるでしょう。
3.火災保険に加入した際のデメリット
火災保険は、基本的に加入し、有事に備えておかなければなりませんが、以下のようなデメリットもあります。
- 保険料が掛かる
- 利用頻度が低い
それぞれのデメリットを簡単に解説します。
保険料が掛かる
火災保険の保険料は、建物の金額や地震保険の付帯の有無にもよりますが、年間で数万円の支払いが必要となります。住宅に住み続ける限り、火災保険の保険料を支払い続ける必要があるため、トータルで数百万円のコストが発生します。生命保険や自動車保険と比べても金額が大きくなるため、家計に負担が掛かります。
利用頻度が低い
火災保険は、金額が高い割には保険を利用する頻度が低い傾向にあります。火災や地震の発生頻度が低いためです。ただ、保険はもしもの時の備えのため、保険に加入しないわけにはいかない現状があります。
4.火災保険はいくら?
火災保険の保険料は、契約内容や住宅の種類、構造、地域によって大きく変動します。ここでは、例を交えて、保険料を紹介するので、参考にされてください。
戸建ての場合
阪神圏で新築木造一戸建て、保険金額が建物2,000万円、家財300万円の場合、保険料は以下のようになります。
年間保険料 |
|
地震保険あり |
年間約4万円〜7万円 |
地震保険なし |
年間約3万円〜6万円 |
地震保険を付帯した場合には、金額が大きく上がります。複数年をまとめて支払うこともできるため、保険会社と金額について相談しましょう。
マンションの場合
阪神圏で新築分譲マンション、保険金額1000万円、家財800万円の場合、保険料は以下のようになります。
年間保険料 |
|
地震保険あり |
年間約1万6千円〜1万7千円 |
地震保険なし |
年間約8千円 |
マンションの場合には、戸建てよりも金額が低くなります。また、賃貸マンションの場合には、さらに安くなり、年間約6千円〜7千円の保険料となります。
戸建ての保険料もマンションの保険料も、契約内容や建物の状況や環境により大きく変動するため、必ず確認し、さまざまな保険会社で見積もりをとり、内容と金額を見比べるようにしましょう。
5.火災保険はどこで契約する?
火災保険は、一般的な保険会社以外でも契約できます。ここでは、火災保険を契約するときの依頼場所を紹介します。火災保険を契約できる場所は、主に以下の3つがあります。
- 既存の保険会社に依頼する
- 住宅会社に紹介してもらう
- 住宅ローンを借りる会社で契約する
それぞれの契約場所について詳しく解説します。
既存の保険会社に依頼する
火災保険を契約する際には、生命保険や自動車保険を契約している保険会社に依頼する方法があります。すでに契約している保険会社であれば、信頼関係も築けている可能性もあるため、相談しやすいメリットがあります。新築住宅を建てる際に相談しておくと契約がスムーズに行えるでしょう。
住宅会社に紹介してもらう
火災保険は、住宅会社からも紹介してもらえます。住宅会社から紹介される保険会社は、火災保険を複数契約している実績もあるため、安心して契約できるでしょう。
しかし、契約内容を確実に確認しておかないと、他の保険会社よりも金額が高くなったり、内容に不足があったりする可能性があるため、相見積もりも視野に入れておく必要があります。
住宅ローンを借りる会社で契約する
住宅ローンを契約する際に、銀行で火災保険を一緒に契約できます。銀行で火災保険に加入するメリットは、団体割引が適用されるため、保険料が安くなる可能性があります。また、住宅ローンと一緒に契約を行うため、時間が短縮されるのもメリットの一つです。
ただ、銀行で提案される火災保険は、プランが少なかったり、補償内容が十分でない可能性があったりするため、注意が必要です。どこの保険会社で契約するにせよ、多数の火災保険を比較し、内容と保険料も見比べて決定することをおすすめします。
6.まとめ
今回は、新築住宅における火災保険について、内容とメリット、デメリットを中心に詳しく解説しました。
火災保険は、火災だけでなく、地震や台風、大雨などによる住宅への被害を補償してくれる保険です。火災保険の契約は、住宅ローンを借りる際の要件ともなっていることに加えて、もしもの災害の際の備えにもなるので、新築住宅を建てる際には、火災保険が必須となります。
火災保険は、一般的な保険会社だけでなく、建築を依頼した住宅会社や住宅ローンを借りる銀行でも契約できます。さまざまな火災保険の内容や金額を見比べて、最適な保険を選ぶようにしてください。