2024.04.30
災害時に必要な備蓄の内容|住宅における非常時の備えについて解説
日本は地震や津波、台風などの自然災害が多く、いつどこで発生するかわからない状態です。
しかし、災害時の備蓄といってもどのような物をどこに備えておけば良いかわからない人も少なくないはずです。
そこで、本記事では災害時に必要な備蓄の内容から住宅における置き場所についても詳しく解説します。後半では、日頃の生活の中でできる備えについても紹介しているので、これから住宅を建てて、災害時の備えを準備しようと考えている方は最後までご覧ください。
1.災害時に必要な備蓄とは?
「災害=避難」というイメージがありますが、絶対避難生活が必要になるわけでもありません。2000年以降に建設された新耐震基準に基づく住宅であれば、耐震等級3の「震度7レベルの地震で倒壊しない」強度となっており、むやみに家から出ない方が安全なことも。
だからこそ、避難用リュックを用意するのではなく、物資の供給が始まるまでの数日間を不自由なく過ごすための備蓄が必要なのです。
災害時に必要な備蓄は主に以下の4つが挙げられます。
- 飲料水
- 非常食
- 生活必需品
- 生活用水
それぞれの備蓄内容について詳しく解説します。
飲料水
飲料水は、自然災害時に断水した際、日常生活を継続するために必須の備品です。
飲むために使用するだけでなく、カップラーメンやご飯を作るためにも使用します。したがって、普段よりも多くの水を備蓄しておく必要があります。
一般的には、家族一人あたり1日3リットルが必要といわれており、断水が1週間続いても生活できるように、十分な量を確保することが重要です。
つまり一人当たり約20リットルほどが必要となるため、4人家族であれば約80リットルほどの備蓄が必要です。
飲料水は災害時だけでなく、普段の生活でも使用できます。そのため、日常生活で使用する水と合わせて備蓄すると楽です。
4人家族で80リットルもの水が必要となるのであれば、備蓄品を置く場所も検討が必要です。これから住宅の間取りを決定する場合には、物置のスペースも充分に設計できれば安心です。
非常食
非常食は、災害時にガスコンロやIHが使用できなくなった時に、すぐにご飯が食べられるように準備しておかなければなりません。非常食を選ぶ際には、停電により冷蔵庫が使えなくなる可能性が高いため、常温で日持ちするものであったり、すぐにご飯として摂取できたりする食品を選びましょう。
非常食に適した食品は、以下のようなものが挙げられます。
- カップ麺
- パックご飯
- レトルト食品
- 缶詰
- インスタント味噌汁
- お菓子
どの非常食も簡単に調理ができて、どこでも食べられるものばかりです。ただし、一部の非常食は水が必要ですので、調理分の水も必要です。
非常食の備蓄量は、家族の人数により変動しますが、3日〜1週間の避難生活が続いても問題ない量を確保しておくと安心です。
生活必需品
災害時の生活を安全にするために、必要な生活必需品を用意しましょう。生活必需品の例には、以下のものがあります。
- カセットコンロ
- カセットボンベ
- ラップ
- テッシュ
- トイレットペーパー
- 懐中電灯
- 乾電池
- ラジオ
- 毛布
- ポータブル充電器
カセットコンロは、調理などの火を使う際に必須です。また、衛生的に保存するためにもラップが必要となります。
他にも、安全を確保するための懐中電灯などの安全用具も重要です。災害時にはスマートフォンの電波が使えない報告もあるため、正確な情報を取得するためにもラジオがあると安心です。
電池やポータブル充電器はこれらの電子機器の大切な動力源となるため、常に準備しておきましょう。
これらの生活必需品は日常生活でも使用されるものばかりです。買い物をするときに、余裕を持って購入しておくと備蓄品として役に立ちます。
生活用水
安心できる避難生活のためには、飲料水だけでなく生活用水も用意しておくことが重要です。生活用水は手を洗ったり、トイレを使ったりする際に必要です。
生活用水は、手を洗ったり、トイレを使用したりする際に有効です、
生活用水の備蓄方法としては、お風呂の水を常に溜めておいたり、外のバケツに雨水を溜めたりする方法が挙げられます。
2.備蓄はどこに置けばいい?
備蓄品を有効に活用するためには、自然災害時に取り出せる場所に保管して置くことが重要です。床下収納を活用する案もあるかもしれませんが、浸水が起きてしまえばすべて水浸しになってしまうでしょう。
そのため、備蓄品の収納場所を選ぶ際には慎重に考える必要があります。備蓄品を保管する際には、以下の2つのポイントに留意しましょう。
- 避難経路上
- 複数の場所に置いておく
それぞれの保管場所について詳しく解説します。
避難導線上
常に家の中での避難導線を考えておく必要があります。いざという時に避難に時間がかかり、家に閉じ込められる可能性があるからです。
備蓄品は、避難導線の途中に配置し、すぐに取り出せるように設置しておく必要があります。棚の奥や壁の高い場所に設置すると、取り出せなくなる可能性があるためです。
玄関や勝手口などの出入り口付近に配置することが一般的です。
複数の場所に配置する
備蓄量に余裕がある場合は、複数の場所に備蓄品を配置しておくと安心です。
一箇所に全てを集中させると、その場所が災害により潰れてしまい、すぐに取り出せなくなる可能性があるためです。
玄関や勝手口、ベランダにそれぞれ少しずつ備蓄品を分けて置いておくと、1つの場所が使えなくても他から備蓄品を取り出すことができます。
3.日頃の生活でできる備えとは
災害はいつどこで発生するかわからないため、日常生活の中での備えが重要です。事前に備蓄品を用意しておくだけでなく、日頃の生活そのものが備えになると、自然災害が起きても安心です。
日常生活での備えには次の3つがあります。
- お風呂の水を溜めておく
- 生活用品を多めに買っておく
- 常に備蓄分があるかを確認しておく
お風呂の水を溜めておく
自然災害時には、水の使用量が増えることが予想されます。特に家族が多いほど、すぐに水が底をつく可能性が高くなります。
そのため、使用したお風呂の水は抜かずに浴槽の中に溜めておくと、災害時に生活用水として利用できます。飲料水としては使用できませんが、洗濯やトイレの流水などに利用できます。
普段の入浴では最低でも100リットルほど使用していると思いますので、災害時に十分活用でき、常に水を確保しておくためには有効な方法です。
生活用品を多めに買っておく
生活必需品を備蓄する方法として、日常生活で使用するものについては、普段の買い物の際に多めに購入しておくと備蓄としては使用できます。
災害時の備蓄品とは別に、生活用品を十分に準備しておくことで、避難生活が長引いても使用できる備蓄量が増えるので安心です。
ティッシュや乾電池などは余分に買っておいても日常生活で使用できるため、使用する分よりも多く購入しておくことで備蓄品としても活用できます。
常に備蓄分があるかを確認しておく
食料品などの備蓄品は、賞味期限が長いとはいえ、定期的に確認しておく必要があります。
また、懐中電灯やラジオなどの機械はいつ故障していてもおかしくないため、災害時にすぐに使える状態かどうかを確認しておきましょう。
日常生活用品を備蓄として活用する場合は、買い物に行く前にどのくらいの量が確保しているかを確認し、足りないようであれば追加で購入しておいてください。
災害はいつ起こるかわからないので、日常生活の中で確認する習慣をつけておくと、いざという時に安心です。
4.まとめ
今回は、災害時の備蓄について解説しました。
今の日本は地震や台風、大雨による洪水などの自然災害がいつ起こるかわからないため、常に備蓄しておくことが必須です。飲料水や食料だけでなく、生活用品や生活用水も準備することが不可欠です。
日常生活から備蓄しておくのも方法の一つであり、災害時用の備蓄だけでなく、生活用品を多めに購入しておくことも備えとなります。
また、備蓄品の保管場所も重要です。避難経路上や複数の場所に配置し、備えを整えましょう。
注文住宅のエソラでは、災害にも強い「耐震等級3」の住宅を設計しています。いつ起こるかわからない災害に備えた住宅を建てたいと考えている方は、一度ご相談ください。