2024.05.16
断熱等級の基準は?制度の仕組みや階級を分かりやすく解説
住宅を建てる際には、デザインや間取りだけでなく性能についても比較しなければなりません。性能を理解し、住宅に取り入れることで、快適な住環境を実現できるからです。
住宅の性能の中でも断熱性能は重要であり、断熱性が高いと暑い夏には涼しく、寒い冬には温かい家になります。
断熱性能を決める指標としては断熱等級があり、住宅の断熱性能を客観的に確認できます。
本記事では、断熱等級について詳しく解説し、その重要性について紹介します。
記事の後半では、これから住宅を建てようと考えている方向けに、どのように断熱性能をあげれば良いかについても解説しているので最後までご覧ください。
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▼目次
1.断熱等級とは?
断熱等級の正式名称は「断熱等性能等級」であり、住宅における断熱性能を客観的に評価する指標です。
断熱等級は、国土交通省が定めている「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて決められており、1〜7段階で評価され、数字が大きくなるほど断熱性が高いことになります。
断熱等級が策定された背景には、世界で取り組まれている「2050年カーボンニュートラル」の目標を達成するためであり、断熱性能が上がることで住宅から排出される炭素量を減らす目的があります。
住宅の断熱等級を上げることは、快適な住環境を実現するだけでなく、環境にも良い影響を与える可能性があるため、メリットばかりといえるでしょう。
ただ、断熱等級は住んでいる地域によって基準が異なったり、「UA値」や「ηAC値」の理解が必要になったりするため、この記事を読んで理解を深めておきましょう。
2.住んでいる地域により断熱等級の基準は異なる
断熱等級の基準は住んでいる地域により異なります。基準が異なる地域区分は8つあり、寒い地域ほど断熱等級の基準は高くなります。
以下の表に8つの地域区分を紹介します。
地域区分 |
詳細の地域例 |
地域区分1 |
北海道の一部(夕張市、士別市、名寄市、伊達市など) |
地域区分2 |
北海道の一部(札幌市、小樽市、旭川市、釧路市、帯広市、北 見市、岩見沢市、網走市、留萌市、苫小牧市)など |
地域区分3 |
北海道の一部、青森県、岩手県、秋田県、山形県、宮城県、福島県の一部、新潟県の一部、長野県の一部、群馬県の一部など |
地域区分4 |
福島県の一部、新潟県の一部、長野県の一部、群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、山梨県、静岡県の一部、愛知県の一部、三重県の一部、島根県の一部、鳥取県の一部、広島県の一部など |
地域区分5 |
三重県の一部、岐阜県、富山県、石川県、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県の一部、熊本県の一部、大分県の一部、宮崎県の一部など |
地域区分6 |
茨城県の一部、栃木県の一部、群馬県の一部、埼玉県の一部、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の一部など |
地域区分7 |
千葉県の一部、東京都の一部、神奈川県の一部、静岡県の一部、三重県の一部、大阪府の一部、山口県の一部、福岡県の一部、長崎県の一部、熊本県の一部、大分県の一部、宮崎県の一部、鹿児島県の一部など |
地域区分8 |
東京都の一部、鹿児島県の一部、沖縄県 |
参考:地域区分新旧表|国土交通省
住んでいる地域の詳細を知りたい方は、国土交通省の地域区分新旧表を参考にされてください。
寒い地域ほど区分が低くなり、温かい地域ほど区分は低くなります。ただ、全国の中でも寒暖差があるため、住んでいる市町村を確認して、どこの区分にいるかを確認しておきましょう。
地域区分が高くなれば断熱性能を決める「UA値」と「ηAC値」の基準値が低くても断熱等級は高くなります。
同じ性能の住宅を違う地域で建てると、断熱等級も変わるため、事前に地域区分を把握しておくことは重要です。
3.断熱性能を決める「UA値」と「ηAC値」とは?
断熱性能を決めるのは、以下の2つの値を参考にします。
- 外皮平均熱流率を決める「UA値」
- 平均日射取得率を決める「ηAC値」
それぞれの値を詳しく解説します。
外皮平均熱流率を決める「UA値」
外皮平均熱流率を決める「UA値」は、室内と外気の熱の出入りのしやすさを表した物です。住宅の中と外気の温度差が1℃とした時に、住宅の中から外に逃げる熱量を外皮面積で割って計算します。以下に計算式を示します。
UA値=「単位温度差当たりの外皮総熱損失量」÷「外皮総面積」
「UA値」の値が小さくなるほど住宅から放出される熱が少ないため、断熱性能が高い住宅であると判断されます。
平均日射取得率を決める「ηAC値」
平均日射取得率を決める「ηAC値」は、冷房を付ける時期の太陽日射の室内への入りやすさを表したものです。太陽の光により住宅内で発生する熱を冷房を付ける期間内で平均して、外皮面積で割って算出します。
以下に「ηAC値」の計算式を示します。
ηAC値=「単位日射強度当たりの総日射熱取得量」÷「外皮総面積」×100
「ηAC値」の値が小さいほど、日光が入りにくく、住宅内で発生する熱が少ないため、冷房効率が高い住宅であると判断されます。
4.断熱等級の7段階を解説
断熱等級は、1〜7段階で評価されますが、地域によって基準値が変わります。以下の表は、国土交通省が定めた断熱等級別と地域別の「UA値」の値です。
引用:断熱性能-国土交通省
等級が高く、地域区分の数字が低い場合には、「UA値」の基準は厳しくなります。断熱等級1は昭和55年基準未満の断熱性能のため、基準値は設定されていません。
続いて、「ηAC値」の基準値を以下の表に示します。
引用:断熱性能-国土交通省
「ηAC値」の基準値は、地域区分の値が高くなると低くなりますが、地域区分8は基準値が高く設定されています。
地域区分1〜4は、「ηAC値」の基準値が設けられていないため、「UA値」のみで断熱等級が決められます。
断熱等級5は、ZEH水準と同等の断熱基準であり、断熱等級6と断熱等級7は省エネ基準となる断熱等級4の住宅における冷暖房にかかる消費エネルギーから30%〜40%削減できるかどうかも含めて判断されます。
2025年4月からは、新たに住宅を建てる際には断熱等級4が最低基準になる予定です。
5.断熱等級を上げるためにできること
断熱等級が高い住宅ほど断熱性能が高いため、住宅内の気温が常に快適な状態を保てます。しかし、断熱性能を高めるためには、住宅を建てる前の設計段階から工夫が必要です。
断熱性能を上げるためには、以下の3つの方法が挙げられます。
性能の高い断熱材を採用する
壁や天井に張り巡らせる断熱材は、断熱性能を決める重要な要素です。
壁や天井は住宅における面積が最も広いため、断熱材の性能の影響を受けやすくなります。そのため、断熱材を性能の高いものに変更することで、断熱等級が上がる可能性があります。
断熱材については、別記事「家の断熱材の役割は?種類と選び方をわかりやすく解説」で詳しく解説しているので参考にされてください。
注文住宅のエソラでは、発砲ウレタンを現場で吹き付けて断熱材を敷き詰めているため、隙間がなく、気密性が高い方法で断熱性能を高めています。また、断熱材の厚さも他社よりも厚く施工するため、高い断熱性を発揮できます。
サッシや窓ガラスを変更する
外気と接する窓やドアは、住宅の中でも外気温の影響を受けやすい場所です。
そのため、窓に使用するサッシや窓ガラスを高性能にすることで断熱性能を高められます。
例えば、サッシを樹脂製に変更したり、窓ガラスを複層ガラスに変更したりすることで、住宅の断熱性能が上がります。
気密性を高くする
住宅の気密性を高くすることで、住宅全体の断熱性能は高くなります。気密性が高い住宅は、外気と接する部分が少なくなるためです。
気密性を高くする工夫としては、設計段階で窓の数を減らしたり、玄関のドアを変更したりが挙げられます。
気密性は、住宅が建ってしまったあとでは工夫できなくなるため、住宅を建てる前の設計段階で住宅会社と十分に話し合っておきましょう。
6.まとめ
今回は、住宅の機能性の中でも重要な断熱性能を客観的に評価する断熱等級について詳しく解説しました。
断熱等級は、1〜7段階で評価され、住んでいる地域により基準値が異なります。基準値は「UA値」と「ηAC値」が使用され、等級が高くなるにつれて値が厳しくなるので、住んでいる地域の値を確認しておきましょう。
断熱性能を高めるためには、性能の高い断熱材を使用したり、サッシや窓ガラスを高断熱のものに変更したりする方法があります。住宅の設計段階から工夫する必要があるので、事前に住宅会社と話し合っておきましょう。
断熱性能は、一年を通して快適な住環境で暮らすために重要な項目です。これから注文住宅を建てる方は、断熱性能についても十分に理解しておきましょう。
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