2024.12.02
家庭用シェルターを設置するメリットとデメリットは?種類と特徴も解説
新築住宅を建てる際には、もしもに備えて家庭用シェルターの設置を検討する方も少なくないはずです。
家庭用シェルターとは、地震や台風といった自然災害時の避難場所としてだけでなく、万が一核戦争が発生した場合にも核の脅威から身を守るための、安全性の高い頑丈な部屋を指します。このようなシェルターは、住宅の内部や庭に設置されることが一般的です。
家庭用シェルターには、非常時に命を守るという大きな利点がありますが、一方で設置費用が高額になるなどのデメリットもあります。
本記事では、家庭用シェルターの基本情報や種類、導入のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
「家庭用シェルターを取り入れたい」と考えている方にとって、有益な情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.家庭用シェルターとは?
家庭用シェルターとは、住宅の中や庭に設置する頑丈な部屋で、地震や台風などの自然災害だけでなく、核による災害が起きた際に、避難場所として活用します。
昨今では、大きな地震が発生する確率が高いだけでなく、台風の発生頻度も高くなっており、いつどこで被害が発生するかわからない状態です。
また、世界において戦争も多く発生しており、ロシアや北朝鮮が核実験をしている中で、いつ核戦争が起きてもおかしくない状況です。日本もその核がいつ飛んでくるかわからないため、家庭用シェルターなどの防災対策に対する意識は高まりつつあります。
2.家庭用シェルターのタイプ
家庭用シェルターには、主に以下の2つのタイプがあります。
- 住宅に組み込むタイプ
- 置き型タイプ
それぞれのタイプを詳しく解説します。
住宅に組み込むタイプ
住宅に組み込むタイプのシェルターは、住宅の地下や部屋の一つをシェルターとして設計するタイプです。
地下や住宅の一部の壁や天井の強度を上げて、地震や台風、核などの災害から身を守れるスペースを確保します。
住宅の内部にシェルターを取り付けることで、専用の設置場所を新たに用意する必要がなく、外観やインテリアに自然に溶け込むのが特徴です。そのため、一目でシェルターとわからない点もメリットといえます。
ただ、住宅の一部を改造することになるので、置き型タイプよりもコストが高くなる傾向にあります。
置き型タイプ
置き型タイプのシェルターは、住宅の庭やガレージに設置するタイプです。
いつでも移動できる上に、住宅が完成していても後から購入ができます。また、住宅に組み込むタイプと比べてもコストが掛からない特徴があります。
ただ、住宅に組み込むタイプよりも強度が落ちたり、いざという時にすぐにシェルターの中に移動しにくいといったようなデメリットがあることも理解しておく必要があります。
3.家庭用シェルターのメリット
家庭用シェルターを設置する際には、メリットとデメリットを十分に理解しておく必要があります。メリットとデメリットを理解しておかないと、設置してから後悔してしまうためです。
家庭用シェルターを設置するメリットは主に以下の3つがあります。
- 安全性の向上
- 防災グッズの保管
- 防犯対策への寄与
安全性の向上
家庭用シェルターを設置する最大の利点は、いざという時に安全が確保できることです。
地震や台風が起きた際に、近くに避難所があり、必要な荷物を持ってすぐに逃げられれば良いですが、急に発生する地震や洪水の際には、逃げる時間がありません。
そのような状況でも、家庭用シェルターがあれば、家の中や庭に移動するだけですぐに身の安全が確保できます。
さらに、避難所であれば、他の人との共同生活となり、プライバシーの確保が難しくなりますが、家庭用シェルターであれば、家族だけでの生活になるためストレスも少なくなるでしょう。
また、もしも核戦争が起きた際でも、通常であれば逃げる場所はどこにもありませんが、シェルターがあれば被害を軽減できる可能性が高まります。
防災グッズの保管
家庭用シェルターは、逃げる場所として活用ができるだけでなく、防災グッズや生活必需品を保管する場所としても使用できます。
災害が起きた際に、防災グッズや生活必需品をシェルター内に保管しておけば、避難後もすぐに使用でき、数日はシェルター内でも生活できます。
さらに、地震が起きた際に、住宅に被害が及んだとしても、シェルター内に生活に必要な物を保管しておけば、取り出して使うことも可能です。
シェルターがなければ、逃げ道である玄関や勝手口等に防災グッズを置いておく場合が多いですが、いざとなった時に取り出せなければ意味がないため、シェルターに防災グッズ等を保管しておけるのは大きなメリットとなるでしょう。
防犯対策への寄与
家庭用シェルターは、災害時に役立つだけでなく、防犯対策にもなります。
最近では、一般の住宅に強盗が入り、住人に被害が及ぶ事件も多く、防犯の重要性が以前にも増して上がっています。
家庭用シェルターがあれば、もし住宅に人が侵入してきて、被害を受けそうになった時に、すぐにシェルター内に逃げ込めます。
また、シェルターは非常に頑丈な構造で設計されているため、外部から簡単に侵入される心配が少なく、身を守ることができるでしょう。
このように、家庭用シェルターは防災の用途に加え、防犯対策にもなるなどのメリットがあります。
4.家庭用シェルターのデメリット
家庭用シェルターの設置には、メリットだけでなくデメリットもあります。家庭用シェルターを設置するデメリットは主に以下の3つがあります。
- 高額な設置費用
- 維持管理が必要
- 設置場所の確保が必要
高額な設置費用
家庭用シェルターの設置で最も大きな課題となるのは、コストが掛かることです。
住宅に組み込むタイプのシェルターであれば、最低でも700万円程度が必要で、地下に設置する場合には1000万円を超える場合もあります。
置き型タイプのシェルターでも、用途によって大きく変動しますが、50万円〜200万円以上のコストが掛かります。
命には変えられないにしても、価格は決して安くないため、十分な検討が必要になるでしょう。
維持管理が必要
家庭用シェルターを導入した場合、定期的なメンテナンスが必要となります。
例えば、シェルター内の換気が正常に機能しているか、防水性に問題がないかなど、定期的に確認する必要があります。メンテナンスを怠ると、いざという時にシェルターとしての役割が果たされないため、設置する意味がなくなります。
定期的なメンテナンスが苦になる可能性も知っておく必要があるでしょう。
設置場所の確保が必要
家庭用シェルターを設置する際には、十分な設置スペースが必要となります。
住宅に組み込むタイプでは、部屋のスペースを使用しなければならず、生活するスペースが狭くなる可能性があります。一方、置き型タイプでは、庭やガレージの一部に設置するスペースを確保しなければなりません。
住宅や敷地の広さを考慮しつつ、シェルターを設置するかどうかを慎重に判断することが求められます。
5.まとめ
今回は、家庭用シェルターの概要、種類、設置するメリットとデメリットについて詳しく解説しました。
家庭用シェルターは、地震や台風といった自然災害の際に、身を守るための備えとなります。また、もし核戦争が起きてしまった際でも、避難場所として活用できるでしょう。
災害だけでなく、防犯になるなどのメリットがある一方で、大きなコストが発生するなどのデメリットもあるため、設置する際には慎重に検討する必要があります。
全国的に地震の頻度や台風の発生回数、洪水などの水害も増えてきており、いつどこで被害に会うかわからないため、家庭用シェルターの設置は効果的な防災対策の一つと言えるでしょう。
新築住宅を建設する際には、シェルターを住宅の一部として取り入れることも可能です。安全を確保するための選択肢として、検討してみてはいかがでしょうか。