2024.06.27
災害時のライフラインを守る対策とは?住宅で安心して避難生活を送るために
災害が発生すると、生活に必要なインフラが止まり、通常の生活が送れなくなってしまいます。
ライフラインには、電気や水道以外にも種類があり、災害時に止まると生活に支障をきたすものが存在します。災害時にインフラが停止しても安心して生活できるように準備が必要です。
本記事では、インフラの種類について詳しく説明し、それぞれが停止した場合の対策についても紹介します。
住宅を建てる際にも、工夫一つで災害の備えになるため、これから住宅を建てようと考えている方は、ぜひ参考にされてください。
1.住宅におけるライフラインの種類
住宅で生活するためには、主に以下の6つのライフラインの種類があります。
- 電気
- 水道
- ガス
- 通信
- 物流
- 公共交通機関
ライフラインは、生活するために必要なエネルギーなどを指します。
電気が通ってなければ、明かりが点かなかったり、電化製品が使えなくなったりします。水やガスの供給がなければ、料理ができなくなったり、お風呂に入れなくなったりします。
ライフラインには、電気や水道の他に、通信、物流、公共交通機関も含まれます。現在は、インターネットやスマートフォンが普及している状態で、通信が途絶えてしまうと、誰とも連絡が取れなくなってしまいます。
上記のように、ライフラインは生活するために必要なエネルギーや物流、公共交通機関を指します。
災害によってライフラインが止まると、日常の生活が送れなくなるため、事前に対策をしておく必要があります。
2.ライフライン別に災害時への対策を紹介
上記で解説したライフラインが災害により停止した際の対策を、それぞれ詳しく解説します。
事前に準備さえしておけば、いざ災害が起きたとしても冷静に対処できるだけでなく、家族が安全に避難生活を送れます。
電気の停電対策
電気が止まると、以下のような項目で生活に影響を与えます。
- 夜に照明が使えなくなる
- 冷暖房器具が動かせなくなる
- 冷蔵庫が停止して食品の保存が難しくなる
- テレビやインターネットが使えなくなり、情報を得られなくなる
それぞれの影響への対策を詳しく解説します。
夜に照明が使えなくなる
電気が止まると、夜間の照明が点かなくなるため、暗い状態で生活しなければなりません。
そのため、普段より懐中電灯やろうそく、LEDランタンを常備しておき、照明に使えるように対策をしておく必要があります。懐中電灯やLEDランタンを使用するためには、電池も必要となるので、併せて備蓄しておくと安心です。
冷暖房器具が動かせなくなる
電気が止まると、エアコンや電気ストーブが使えなくなるため、夏は暑く、冬は寒い状態で避難生活を送らなければなりません。
そのため、冷暖房器具の代わりになるような電池式扇風機や毛布、石油ストーブなどを用意しておくと安心です。石油ストーブなどは灯油を使用するため、火事には注意しておかなければなりません。
冷蔵庫が停止して食品の保存が難しくなる
電気が止まると、冷蔵庫が使用できなくなるので、食品の長期保存ができなくなります。
冷蔵庫が使えなくなる対策としては、日頃より冷蔵保存が必要のない缶詰等の食品を備蓄しておく方法が挙げられます。食料と併せて飲み水も一緒に保存しておきましょう。
テレビやインターネットが使えなくなり、情報を得られなくなる
電気ライフラインが停止すると、情報源となるテレビやインターネットが使用できなくなります。災害時には、どこで災害が起きているかなどの情報が必要となるため、情報収集は必須です。
情報収集の代替手段としては、ラジオやスマートフォンを使用する方法があります。スマートフォンは電気を使用するため、充電するためにもモバイルバッテリーを常にフル充電しておき、他の備蓄品と一緒に保管しておくと安心です。
水道の断水対策
災害で水道が止まると、生活に以下のような影響を与えます。
- 飲み水が不足する
- トイレが使えなくなる
- 料理ができなくなる
- 衛生状態が悪化する
それぞれの影響に対する対策を詳しく解説します。
飲み水が不足する
水道が止まると、飲料水が不足します。そのため、家族が3日〜5日程度の避難生活を送れるほどの飲料水を備蓄しておく必要があります。
家族一人当たり1日約3リットルが必要となるため、4人家族であれば36リットル〜60リットルほどの備蓄が必要です。
トイレが使えなくなる
水道が止まると、水洗トイレが使用できなくなります。
そのため、非常用のトイレセットを備蓄品に入れておくと安心です。家族が3日〜5日の避難生活を送れるような数を備蓄しておきましょう。
料理ができなくなる
水道が止まると料理ができなくなります。そのため、料理が必要にならない食品を用意しておきましょう。
そのまま食べられる缶詰やカンパン等、調理が必要とならない食品を備蓄品として家族分を用意しておくと安心です。
衛生状態が悪化する
水道が止まると、手洗いができなかったり、お風呂に入れなくなったりするため、衛生面が悪化してしまいます。
そのため、手を衛生的に保つためのアルコールを準備したり、体を拭くためのボディシートを備蓄しておくことで、清潔を保つことができます。
ガスの対策
災害でガスが止まると、生活に以下のような影響を与える可能性があります。
- 料理ができない
- 給湯器が使えない
- 暖房器具が使えない
これらの影響は、住宅でガスを使用している場合に限られます。対策としては、電気や水道が停止した場合と同様の方法が必要です。
通信インフラの対策
災害が発生すると、電柱が倒れたり、電線が断線したりするため、通信ライフラインが止まることがあります。通信ライフラインが停止すると、以下のような影響が考えられます。
- 連絡が取れなくなる
- 情報が得られなくなる
それぞれの影響に対する対策を解説します。
連絡が取れなくなる
災害が起こると、スマホの通信に必要な通信基地局も影響を受けて、連絡が取れなくなる可能性があります。
自宅に固定電話があれば連絡できる可能性がありますが、現在は自宅に設置している人は多くありません。
対策としては、公衆電話を使用して連絡を取る方法があります。スマホが使えなくなるとスマホ決済等を使用しての買い物もできなくなるため、少額の現金も用意しておく必要があるでしょう。
情報が届かなくなる
通信ライフラインが停止してしまうと、インターネット等から情報を収集できなくなり、現在の災害情報等が受け取れなくなります。
対策としては、ラジオを使用して情報を収集する方法があります。ラジオを使用するために、電池やモバイルバッテリーも併せて備蓄しておきましょう。
物流の対策
災害が発生すると、道路や線路が寸断されて物流がストップしてしまう可能性があります。物流が止まってしまった際に日常に及ぼす影響は以下のようなものがあります。
- 食品や物品が買えなくなる
- 通信販売が使用できなくなる
物流が止まると、生活に必要な食品や物品がお店に並ばなくなるので、買い物ができなくなります。そのため、家族で3日〜5日間を生活できるほどの食品や物品を十分に確保しておく必要があります。
通信販売で購入した物品も物流の停止により配達ができなくなります。備蓄の数を常に確認し、必要量を確保しておきましょう。
公共交通機関の対策
災害が発生すると公共交通機関が停止してしまう可能性が高いです。公共交通機関が停止すると、移動ができなくなります。
対策としては、車が使用できる状態を想定すると、ガソリンを可能な限り満タンに近い状態で生活しておくと良いでしょう。
また、常に避難経路を確認し、安全な道かどうかを常に調べておくと安心して避難ができます。
3.まとめ
今回は、災害時にライフラインが停止した際の対策について、詳しく解説しました。
ライフラインは、生活を送る上で必要なものであり、災害が発生し、ライフラインが停止すると今までの生活が送れなくなります。
対策としては、水や食料、電池等の備蓄品を確実に確保しておく必要があります。
災害はいつ発生するかわからないため、日頃からの備えが重要となります。家族を守るためにも、十分な対策を施しておきましょう。