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2024.03.04

  • 暮らしの講座

耐震等級とは?新築戸建を建てる前に知っておきたいポイントを解説

耐震等級とは 戸建

新築の購入は人生で最も大きな買い物のひとつ。新築を建てる際には、デザインや間取りだけでなく、機能性にも注目している人も多いはずです。

戸建の機能性の中でも、地震の多い日本では耐震性が重要視されており、耐震性の強さを売りにしている住宅会社も多く見受けられます。

住宅の耐震性を表現する方法として耐震等級が用いられていますが、数字だけを知っているだけで、詳しい内容を知らない人も多いため、本記事では、戸建の耐震等級について詳しく解説します。

耐震等級を調べる方法についても解説しているので、これから新築の戸建を建てようと考えている方は、最後までご覧ください。

 

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1.耐震等級とは?

耐震等級とは、建物が地震に対してどの程度の強さを有しているかを表すための指標です。

日本の法律である「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて決められており、国土交通省が「住宅性能表示制度」の中で等級を定めています。

「住宅性能表示制度」は、住宅の性能を表示するための基準を設けて、共通のルールを作ることで、手続きが受けやすくなったり、平等に評価を受けられたりするために作られました。耐震等級の他にも、耐火等級や省エネルギー対策等級などの基準が定められています。

耐震等級は、耐震性の強さを1〜3のランクに分けており、数字が大きくなるにつれて耐震性が高いことを示しています。それぞれの耐震等級がどの程度強いかを簡単に解説します。

耐震等級1

耐震等級1は、数百年に一度などの稀に起きる大地震が起きても倒壊しない程度の耐震性がある住宅です。震度6や7の地震が起きても、損傷があっても倒壊はしないレベルの耐震性があります。

一般的な住宅は耐震等級1以上で建築されていることがほとんどです。

耐震等級2

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性があり、震度6や7の地震が起きても、補修することで継続的に住めるレベルの耐震性があります。

長期優良住宅の認定を受けるためには、耐震等級2以上が必要になります。また、耐震等級2は、避難所として使われる病院や学校と同等のレベルの耐震性を有しています。

耐震等級3

耐震等級3は耐震等級の中でも1番耐震性能が高く、耐震等級1と比べると1.5倍ほどの耐震強度があります。

災害にも強い消防署などと同等の耐震性能であり、耐震等級3があれば震度7でも耐えられる可能性があります。現在は、耐震等級3の家を建てられる施工業者も増えているので、事前に確認しておきましょう。

ちなみに、エソラも耐震等級3の家を建てられる住宅会社の一つです。今まで耐震等級3の住宅を建てた実績もあるため、安心・安全の家を建てることができます。

 

2.耐震等級別の耐えられる地震の大きさ

耐震等級が3つあることを紹介しましたが、等級別で耐えられる地震の大きさに違いがあります。耐震等級別で耐えられる地震の大きさを以下の表に記載します。

耐震等級

耐えられる地震の大きさ

耐震等級1

震度6強〜7

耐震等級2

震度6強〜7の1.25倍

耐震等級3

震度6強〜7の1.5倍

耐震等級1は、建物を建てる際にクリアしなければならない耐震基準と同等の耐震性能のため、これから住宅を建てるのであれば、最低でも震度6強〜7の地震に耐えられる設計になります。

耐震等級2であれば震度7の地震の強さの1.25倍の地震にも耐えられます。耐震等級3であれば震度7の1.5倍の強さでも倒壊しないレベルの耐震性能を有しています。

ただ、震度6強や7であってもマグニチュードが高く、震源地に近ければ揺れは大きくなるため、必ず耐えられるわけではありません。

例えば、同じ震度7であっても東日本大震災では最大9.0のマグニチュードを記録しています。環境により耐震性能3でも地震により住宅が被害を受ける可能性があることは覚えておきましょう。

そのため、これから住宅を建てる際には、可能な限り大きな地震に耐えられる耐震等級3で設計したいところです。

 

3.耐震等級の調べ方

耐震等級とは 戸建

現在住んでいる住宅の耐震等級を調べるためには、「住宅性能評価書」で確認できます。

「住宅性能評価書」とは、国土交通省に登録した評価機関が、住宅に関する全国共通のルールをもとに、公平な立場から評価し、書面にしたものです。

国土交通省によると、令和4年度に建てられた新築住宅のうち、30.8%の住宅で「住宅性能評価書」が交付されており、7年連続で増加しているとのことで、年々地震への関心が高まり、地震に強い住宅を作りたい需要が高まりつつあります。

中古住宅の場合、「住宅性能評価書」を作成していれば耐震等級を確認できますが、作成していない場合には耐震等級はわかりません。

「住宅性能評価書」は希望者が住宅の性能を第三者機関に依頼して評価してもらい交付されるため、依頼しなければ交付されない場合もあります。

これから新築戸建を建築する場合には、設計の時点で建築基準法を守れていれば、耐震等級を決められるため、事前に住宅会社と相談しましょう。

 

4.耐震等級が決まる「住宅性能表示制度」とは

新築住宅に耐震等級を割り振ってもらうためには、「住宅性能表示制度」を使い、国土交通省に登録した第三者評価機関が住宅を評価する必要があります。

耐震等級が決まる「住宅性能表示制度」の耐震に関する評価には、以下の画像のような項目があり、この項目に沿って、住宅の耐震等級が決められます。

耐震等級とは

新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド(国土交通省)より引用し編集

なお、「住宅性能評価制度」は耐震等級を決めるための制度ではなく、火災の対策に問題がないかであったり、断熱性能がどの程度かであったりなど住宅全体の性能を評価する制度です。そのため、火災や断熱性能の項目に減点があったとしても、耐震等級には関係ないことは理解しておく必要があります。

耐震等級の評価に関わる項目について、それぞれ簡単に紹介します。

1.耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)

耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の項目は、住宅の構造躯体が地震に対して倒壊や崩壊がしにくいかどうかを等級で表示します。

建築基準法で定められている「極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震力」に対して倒壊や崩壊しない耐震性能であれば等級1となります。

この項目は最低限の耐震性能を有しているかを評価する項目と覚えておきましょう。

2.耐震等級(構造躯体の損傷防止)

耐震等級(構造躯体の損傷防止)の項目は、大きな地震が発生しても大規模な修復工事が必要になるほどの損傷が生じにくいかを評価します。

耐震等級1が建築基準法に沿った最低限の耐震性能であり、その1.25倍の地震に対しても大規模な損傷をしない耐震性能が耐震等級2、1.5倍の地震に対して大規模な損傷が起こらない耐震性能であれば耐震等級3となります。

耐震等級とは

※引用:新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド|国土交通省

柱の組み方であったり、適切な壁の配置がされているかを評価され、この項目で耐震等級が決まります。

3.その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)

その他の項目では、耐震ではなく建物が免震建築物であるかどうかを表示します。

一般的な住宅であれば免震構造が採用されることはほとんどなく、高層ビルや貴重な資料などを保護しなければならない文化施設などで採用されています。

4.耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)

耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)の項目は、地震ではなく台風時などに発生する暴風に対して建物が倒壊や崩壊しにくいかを表示します。

建築基準法レベルの耐風性能であれば耐風等級1、耐風等級1の1.2倍の強さの暴風でも倒壊や崩壊しないレベルであれば耐風性能2です。

耐震等級とは

※引用:新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド|国土交通省

台風が多い地域では、耐風等級を意識しなければならないでしょう。

5.耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)

耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)は、屋根に積雪した時にその重みで倒壊や崩壊がしにくいかを等級で表示します。

建築基準法レベルの耐積雪性能であれば耐積雪等級1であり、その1.2倍の積雪でも耐えられるのであれば耐積雪等級2となります。雪が多い東北や北海道では耐積雪等級が重要となるでしょう。

6.地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法

地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法の項目は、地盤や地盤改良時に打ち込まれた杭が適切な支持力を有しているかを表示します。

また、地盤の強さを調査した時の方法についてもこの項目で記載されるため、適切に地盤調査がされたかどうかを判断できる項目です。

地盤が強いかどうかであったり、地盤改良工事が適切に行われたかどうかを確認する際にはこの項目を確認しましょう。

7.基礎の構造方法及び形式等

基礎の構造方法及び形式等の項目では、基礎の構造や形式であったり杭基礎の構造などを表示します。

基礎には布基礎やベタ基礎がありますが、この項目で適切に基礎が構築されているかが判断されます。

布基礎とベタ基礎については、別記事「ベタ基礎と布基礎の違いは?特徴やメリット、デメリットを解説」で紹介しているので参考にされてください。

 

5.耐震等級3を取得するためには

耐震等級は建築基準法の範囲である耐震等級1を満たせば家は建てられます。

しかし、耐震性の高い家を建てたい方も多いはずです。特に、用心として耐震等級を3にしておきたいと思う方も少なくないでしょう。

耐震等級3を取得するためには、主に以下のような工夫が挙げられます。

耐震等級3を取得するための工夫
  1. 軽い素材を使う
  2. 柱と梁の接続部分を強化する
  3. ベタ基礎のコンクリートを厚くする
  4. 耐震性のある耐力壁を多くとりいれる

他にも壁や床に使う板の種類を変える方法などがあります。ただ、耐震等級を上げようと思うと材料費などのコストも掛かるので、予算や優先すべき項目を検討しましょう。

また、耐震等級を上げたくても依頼する住宅会社が対応していない場合もあるため、契約を済ませる前に確認しておくことをおすすめします。

 

6.耐震性を決めるポイント

耐震等級とは 戸建

耐震等級は、国土交通省が定めた第三者機関により評価されて決まりますが、どのように耐震性を決めているかは主に以下の4つがポイントです。

耐震性を決めるポイント
  1. 建物は軽いほうが耐震性が良い
  2. 耐力壁の量は、多いほうが耐震性が良い
  3. 耐力壁や耐震金物は、バランスが重要
  4. 床の耐震強度も上げる

それぞれのポイントを簡単に紹介します。

建物は軽いほうが耐震性が良い

建物に使用される材料は軽い方が耐震性が良いとされています。建物や屋根が軽いことで地震から伝わった揺れの幅が小さくなるためです。

木造住宅は、鉄筋や鉄骨と比べると軽いものも用意できるため、耐震性を上げやすい特徴があります。

耐力壁が多いと耐震性が良い

耐力壁とは、筋交いや面材などを入れて強度を高めた壁で、風や地震などの横揺れに対して抵抗力を上げてくれます。

住宅の壁に耐久壁を使えば使うほど耐震性が高くなり、耐震等級を上げてくれます。

耐力壁や耐震金物は、バランスが重要

耐久壁や地震に強い金物を多く使えば耐震性も上がりますが、より耐震性をあげたいのであれば、どこの耐久壁や地震に強い金物を使うかが重要です。

地震が起きた時に、住宅のどの部分に地震の力が伝わりやすいかを計算し、バランスよく配置しなければ、耐震等級を上げることはできません。

バランスについては、住宅会社に聞きながら進めていくと良いでしょう。

床の耐震強度も上げる

耐震性が高い住宅は、床の耐震性能が高い場合がほとんどです。床の上に壁や天井が乗っているため、いくら壁や天井に耐震を施しても、床が崩れてしまえば簡単に倒壊してしまいます。

そのため、耐震等級2以上を表示するためには、床の耐震強度も上げておかなければなりません。

 

7.耐震等級3を受けるメリットと注意点

耐震等級3を受けるメリットには、地震に強く、安心して生活ができる以外にも地震保険の割引が受けられることも挙げられます。耐震等級別の地震保険の割引率を以下の表に示します。

耐震等級

地震保険の割引率

耐震等級1

10%

耐震等級2

30%

耐震等級3

50%

耐震等級3であれば、通常の保険料から50%の割引が受けられるため、地震保険が高くなっている現在では大きなメリットといえるでしょう。安心して生活できるだけでなく、金銭的なメリットも受けられるため、耐震等級3は受けたいところです。

ただ、住宅会社によっては、耐震等級の認定を受けていない場合に「耐震等級3相当」と表示している場合があるため、注意が必要です。

「耐震等級3相当」は、住宅性能評価機関に認定は受けていないけれど、耐震等級3と同等の耐震性がある場合に使われます。耐震等級3の認定を受けるためには、数十万の費用だけでなく時間も掛かるため、「耐震等級3相当」と表示しているのです。この場合は公的な数値ではないため、地震保険の割引に該当しません。

新築住宅の認定を受けようと思うのであれば、住宅会社と相談してください。エソラでは、「耐震等級3」クラスの住宅を建てている実績があり、お客様の依頼に応じて認定を受けることも可能です。気になる方は、一度ご相談ください。

 

8.まとめ

今回は、戸建の耐震等級について、概要から耐震性を決めるポイントまでを解説しました。

耐震等級は、住宅の耐震性能が高いことを表示するためのもので、国土交通省に認められた住宅性能評価機関に依頼して審査を受けて、認定を受けられます。

耐震等級は1〜3まであり、数字が高くなるほど耐震性が高いことになります。耐震等級1は最低限の耐震性能で、耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の耐震性能を有しています。

耐震性能3は、防災拠点に使われる警察署や消防署と同等に耐震性となるため、もし耐震性能3の住宅であれば、地震がきても簡単には倒壊しないでしょう。

耐震性能3は、地震に強い家で安心して住めるだけでなく、地震保険の割引も受けられるメリットがあります。

住宅会社によっては、耐震等級を上げて欲しいと依頼した場合に、大きなコストが発生する可能性もあるため、契約前には住宅会社と十分に相談しておきましょう。

 

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