BLOG

2025.03.04

  • 暮らしの講座

床暖房を採用するメリットとデメリットは?注意点や費用についても解説

新築住宅を建てる際やリフォームをする際に、床暖房の導入を考える方は多いでしょう。床暖房は、床下に設置したヒーターによって足元から部屋全体を温める方法で、部屋のどこにいても温かいという特徴があります。

どこにいても温かいなどのメリットがある一方で、導入コストが高いなどのデメリットがあります。そのため、導入する際にはメリットとデメリットを理解した上で、導入を決める必要があります。

そこで、本記事では、床暖房の概要とメリット、デメリットを中心に解説します。記事の後半では、導入する際の注意点についても解説しているので、これから床暖房の導入を検討している方は、最後までご覧ください。

1.床暖房の種類

床暖房とは、床下に電気ヒーターや温水パイプを設置し、足元から温めて暖を取る方法を指します。床暖房には主に以下の2つの種類があります。

  • 電気ヒーター式
  • 温水循環式

電気ヒーター式は、ヒーターを床下に敷き詰めて、電気の熱で直接床を温める仕組みです。比較的施工が容易で、スイッチを入れると短時間で暖かくなる点が特徴です。

一方で、温水循環式は、温水を流すためのパイプを床下に張り巡らせ、ガスや電気を使って水を温めることで床全体を暖める方法です。パイプやボイラーの設置が必要になるので初期費用が高くなりますが、温水を使用するため、電気ヒーター式よりも空気が乾燥しにくい特徴があります。

床暖房は、床下に設備を組み込む必要があるため、新築時やリフォーム時にしか施工できないため、事前に導入するかどうかを十分に検討しておく必要があります。

 

2.床暖房のメリット

床暖房を導入するメリットには、主に以下の4つがあります。

床暖房のメリット
  • 部屋のどこでも暖かい
  • 乾燥しにくい
  • ハウスダストが舞いにくい
  • 床の掃除がしやすい

部屋のどこでも暖かい

床暖房は、床下にヒーターや温水パイプを設置し、足元から部屋全体を均一に温める暖房システムです。ストーブや暖炉、エアコンの場合は、その器具の近くが暖かくなりやすく、遠くなってしまうと空気が冷めてしまう傾向にあります。

特にリビングに床暖房を導入すれば、どこでくつろいでも足元が温かいため、寒い冬でも快適に過ごせる住宅になるでしょう。

乾燥しにくい

床暖房は、風を利用せずにヒーターや温水の熱を利用するため、空気が乾燥しにくいのもメリットの一つです。エアコンなどの暖房器具を使用すると、どうしても風が発生してしまうため空気が乾燥してしまいがちです。

床暖房の中でも特に温水循環式を採用すると、温水を利用するため、部屋の乾燥を防いでくれる可能性があります。

ハウスダストが舞いにくい

エアコンやストーブなどの暖房器具は、温かい風を送り出して空気を温めるため、床に落ちているハウスダストが舞ってしまう可能性があります。

しかし、床暖房を採用すると風は起こらないため、ハウスダストが舞う心配はありません。

特に、小さな子供がいる場合には、床から舞い上がるハウスダストはアレルギーの原因にもなってしまうため、床暖房を採用して予防するのも方法の一つです。

床の掃除がしやすい

床暖房を採用した場合には、ストーブやヒーターなどの暖房器具を床に置く必要がなくなるため、床が掃除しやすいのもメリットの一つです。

床下にヒーターや温水パイプが設置されているため、見た目はただの床と同じで、掃除もしやすくなります。また、埃などがエアコンなどの風で舞い上がらないため、ゴミが散らばることもありません。

床に置くものが少なくなるため、整理整頓がしやすくなるのも床暖房を採用するメリットの一つといえるでしょう。

 

3.床暖房のデメリット

床暖房には多くの利点がありますが、注意すべき欠点も存在します。特に、以下の2つの点がデメリットとして挙げられます。

床暖房のデメリット
  • 設置コストが高い
  • 故障時の修理に時間がかかる

設置コストが高い

床暖房は、電気ヒーターや温水パイプを床下に設置するため、設置にかかる費用が高くなります。

住宅の一部の部屋だけに採用するだけならまだ良いですが、全ての部屋に設置するとなると、かなりの金額になります。1畳あたりの値段が5万〜10万円程度掛かるため、12畳程度のリビングに床暖房を採用するだけでも、60万〜120万円の費用が発生してしまいます。

エアコンが数万円で購入できることを考えると、床暖房は相対的に高価だと言えます。

故障時の修理に時間がかかる

床暖房は電気ヒーターやボイラーを利用しているため、故障してしまうこともあります。しかし、床下に設置しているため、万が一故障した場合、修理には床材を取り外す必要があり、時間がかかります。

修理している間は床暖房が使えないため、部屋が温められなくなる可能性もあります。床暖房を採用する際には、デメリットが許容できるかどうかを十分に検討しておきましょう。

 

4.床暖房を採用する際の注意点

床暖房のメリット、デメリットを踏まえた上で、採用する場合には注意しておくポイントがあります。床暖房を採用する際の注意点には、主に以下の5つがあります。

床暖房を採用する際の注意点
  • 住宅全体の断熱性能を上げる
  • 他の暖房機器(エアコンなど)との併用を考慮する
  • 床暖房を全館に導入する必要があるかを検討する
  • 床材を適切に選定する
  • 家具や家電の配置に配慮する

住宅全体の断熱性能を上げる

床暖房を採用する際には、住宅全体の断熱性能にも注意しておく必要があります。床が温かくても、壁や窓から冷たい空気が侵入してしまうと、寒い部屋になってしまうためです。

また、床下の断熱性能も上げておかないと、床暖房による熱が失われてしまう可能性もあるため、断熱性能についても理解しておく必要があります。

断熱性については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にされてください。

関連記事:住宅を高断熱にするメリットとは?2種類の断熱工法と合わせて解説

他の暖房機器(エアコンなど)との併用を考慮する

床暖房を採用する場合には、エアコンなどの暖房器具と併用すると、より快適な住環境を作り上げられます。

床暖房は、温まるまでに時間が掛かる上に、足元から温かくなるため、体全体が温かいと感じるまでに時間が掛かります。

そのため、エアコンを使用することで、空気も一緒に温められるため、より早く部屋全体を温められます。

床暖房を全館に導入する必要があるかを検討する

床暖房を導入する際は、家全体に床暖房を設置する必要があるかどうかを慎重に検討することが重要です。

床暖房は初期費用が高いため、全体に床暖房を採用すると、費用が跳ね上がってしまいます。

予算次第にはなりますが、主に過ごす部屋のみに床暖房を採用し、他の部屋にはエアコンのみを設置する方法が最も効率的といえるでしょう。

床材を適切に選定する

床暖房を採用する際には、適した床材を選ばなければなりません。床暖房に適さない床材を選んでしまうと、床暖房の効果が半減してしまう可能性があるためです。

床材を選ぶ際には、住宅会社に相談しながら、床暖房に適した素材かどうかを確認することが大切です。

家具や家電の配置に配慮する

床暖房を導入する際は、家具や家電の位置に配慮しなければなりません。床暖房の種類によっては、床上における家具などの重みに制限があるためです。

そのため、間取りを決める段階で、どこにどのような家具や家電を置くかを決めて、住宅会社に伝えておくと安心です。また、住宅が完成した後でも、床暖房の上にどれくらいの重さを置けるかを、メーカーや住宅会社に確認しておきましょう。

 

5.まとめ

今回は、床暖房のメリット、デメリットを中心に解説しました。

床暖房は、床下に設置した電気ヒーターや温水ポンプを利用して、部屋を温めます。部屋のどこでも温まったり、掃除がしやすかったりなどのメリットがある一方で、導入費用が高かったり、部屋が温まるまでに時間が掛かったりなどのデメリットがあります。

床暖房を採用する際には、住宅全体の断熱性能であったり、床材の選定、家具や家電の位置であったりに注意しながら、導入するようにしてください。

寒い冬には、足元からじんわりと温まる床暖房が理想的です。これから新築住宅を建てようと考えている方は、導入を検討してみましょう。