2023.04.20
地盤改良工事とは?工事の種類や費用、施工期間を解説
新築住宅を建てる前には、土地の地盤を調査しなければなりません。地盤が弱い状態であれば、地震や水害の際に住宅が大きな被害を受けてしまうためです。
もし、新築住宅を建てる予定の土地を地盤調査した上で、地盤が弱いと判断された場合には地盤改良工事が必要となります。
そこで、今回は地盤改良工事について、概要から種類、費用を中心に解説します。
地盤改良工事は住宅を安全に建てるためにも重要ですので、これから新築住宅を建てようと考えている方は参考にされてください。
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1.地盤改良工事とは?
地盤改良工事とは、地盤調査をした上で地盤が弱く、災害などに耐えられないと判断された場合に、住宅が安定した状態で建てられるように改良することです。
地盤改良と聞くと地盤を強くすると考えがちですが、地盤そのものを改良するものではなく、地盤が強い深さまで杭を打って安定させたり、表層にセメント系の材料を混ぜて改良したりして適切な状態に改善します。
地盤改良をする前には、地盤の状態を調査する必要があり、主に以下の3つの方法があります。
- スウェーデン式サウンディング試験
- ボーリング調査
- 表面波探査法
地盤調査については、別記事「新築時に地盤調査は必須!費用と3つの方法を解説」で詳しく解説しているので、参考にされてください。
地盤改良工事が必要な理由
地盤が弱い状態で新築住宅を建ててしまうと、地盤が住宅の重さに耐えられず沈下を起こして住宅が傾いてしまう可能性があります。
また、地震などの災害の際に被害を受けやすくなるため、地盤改良工事は新築住宅を建てる上で重要です。
さらに、建築基準法でも地盤については定められているため、法律上でも住宅を建てる際には、地盤の強さが重要とされています。
2.3つの地盤改良工法
地盤改良工法は改良前の地盤の状態により使い分けられるため、地盤調査をした後でどの方法かを選択します。地盤改良工事には主に以下の3つの種類があり、工法によって費用や工事期間が変わります。
新築住宅の見積もりを住宅会社が出してくれるため、地盤改良にいくらの費用が発生する予定なのかを確認しておくと良いでしょう。地盤改良の工法は自由に選ぶことができないため、予算を高めに設定しておくと安心です。
それぞれの地盤改良工法について紹介します。
表層改良工法
表面改良工法は、弱い地盤が地表から浅い場合に用いられる地盤改良工法で、比較的、平坦な土地に用いられる工法です。
地面浅くにある地盤を掘り起こして、セメントと土を混ぜ合わせて地盤を強くします。セメントを混ぜて強くするため、他の工法と比べると費用が安いメリットがあります。
表面改良工法の費用が最も安く、1日~2日で工事は完了します。
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費用の目安 |
工事期間 |
表面改良工法 |
300,000円~500,000円 |
1日~2日 |
柱状改良工法
柱状改良工法は、表層改良工法では対処できない深さに地盤がある場合に用いられます。地盤が弱い土地に、規則正しく穴を掘り、その中にセメントを流し込んでいくつもの柱を作り、家を支える土台を作る工法です。
費用は表層改良工法よりは高くなりますが、後述する鋼管杭工法よりは安くなります。地盤に複数の穴をあけて、セメントを流し込むため、1週間ほどの期間を想定しておきましょう。
柱状改良工法のメリットは、強い地盤がなくても施行できることです。
ただ、柱状改良工法を施工すると、万が一土地を売却する場合に、価格が下がってしまう可能性があるので注意が必要です。埋め込んだセメントを撤去するためにも費用が発生することを覚えておきましょう。
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費用の目安 |
工事期間 |
柱状改良工法 |
500,000円~1,000,000円 |
3日~1週間 |
鋼管杭工法
鋼管杭工法は、柱状改良工法と似た方法ですが、埋め込む材料が鋼管になります。
他の2つの工法に比べると費用は高くなりますが、地盤強度が高くなる特徴があります。比較的小さな重機で施工ができるため、狭い土地の地盤改良でも問題ありません。
ただ、工事の騒音が大きくなりがちですので、近隣住民への説明も必要となります。1日~2日で工事は完了します。
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費用の目安 |
工事期間 |
鋼管杭工法 |
1,000,000円~2,000,000円 |
1日~2日 |
3.地盤改良工事を依頼するときのポイント
地盤調査をした上で、地盤改良工事が必要になった場合には、施工する業者に依頼することになります。
住宅会社が提携している業者に依頼することがほとんどですが、できるだけ良い会社を選びたい場合には、他の業者に依頼する方法もあります。
地盤改良工事をする業者を選ぶ際のポイントは、以下の3つです。
- 資格を持っているか確認する
- 予算や工期は長めに設定する
- 他の会社にも見積もりを依頼する
それぞれのポイントを簡単に解説します。
資格を持っているか確認する
地盤改良工事を請け負っている会社を選ぶ際には、工事に対応した資格を取得しているかを確認しましょう。地盤改良工事では、主に以下の2つの資格が必要です。
- 建設機械を扱うための資格
- 土木施工管理技士
地盤改良には建設機械を扱うため、機械に応じた資格を有している必要があります。
また、土木施工管理技士も同様に工事を管理する監理技術者が必要になります。施工業者のホームページで確認したり、直接電話で問い合わせて、資格を有しているか確認しましょう。
予算や工期は長めに設定する
地盤改良工事の予算は、少し多めに設定しておくと安心です。なぜなら、地盤調査をした上で、どのような工法が必要になるかわからないためです。
100万円程度の費用で見積もりにいれておくと、費用が大きく変動することはないでしょう。
また、工期においても工法によって変わるため、期間が長くなることを想定しておくと良いです。
他の会社にも見積もりを依頼する
地盤改良工事を依頼する業者を探す際には、1つの業者だけでなく、複数の業者で見積もりを取り比較すると良いです。なぜなら、業者によって費用が大きく変わる可能性もあるためです。
しかし、見積もりが安いという理由だけで選んだ場合、工事が雑な場合があるため、実績や資格も考慮した上で選択するようにしましょう。
4.まとめ
今回は、地盤改良工事の概要から種類、費用について詳しく解説しました。
地盤改良工事は、新築住宅を建てる予定の土地の地盤が弱い場合に補強するための工事です。そのため、安心して新築住宅に住むためにも地盤改良工事は欠かせません。
地盤改良工事には3つ種類があり、それぞれの工法で費用や工期が変わります。住宅を建てる予定の土地によって適切な工法があることを理解しておきましょう。
地盤は重い家を支える重要な役割があるため、地盤調査から地盤改良工事まで適切に行ってもらえるように住宅会社とも十分に話し合ってください。
もしもの時にも安心できるお家をつくりませんか。
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