2024.02.06
ウレタン吹付断熱とは?使用するメリットとデメリットを徹底解説
家を建てるときには、断熱性能は重要なポイントの一つです。断熱性能が低いと、家の中の温度を一定に保つことができないため、快適な住環境を実現できません。
断熱性能を高めるためには複数のポイントがありますが、その中でも断熱材の種類は直接断熱性能に関わるため、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。
そこで今回は、断熱材の中でもウレタン吹付断熱について、メリット、デメリットを中心に解説します。
これからマイホームを建てようと考えている方は、断熱材について理解しておく必要があると思うので、最後までご覧ください。
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▼目次
1.ウレタン吹付断熱とは?
ウレタン吹付断熱に使われるウレタンとは、プラスチックの一種で、ゴムのような伸縮性があります。強度が高く軽量であり、吸音や断熱に優れている特徴があります。
ウレタンには種類があり、主に硬質ウレタンと軟質ウレタンに分けられます。
硬質ウレタンは接着剤を使用せずに接着する「自己接着性」の特徴があり、住宅の断熱材や吸音材に使われています。軟質ウレタンには保湿性や耐摩耗性に優れているという特徴があるので、家具などのクッション材やキッチンクリーナー、洗車用クリーナーに使用されています。
ウレタン吹付断熱では、その硬質ウレタンを施工現場で壁や床下、屋根裏に吹き付けて発泡させ、断熱材として使用します。
そもそも断熱材の必要性は?
ウレタン吹付断熱に限らず、断熱材は住宅において欠かせません。
住宅における断熱材の役割は主に以下の3つが挙げられます。
-
- 室内の温度を一定に保つ
- 防音効果がある
- カビや結露の予防になる
断熱材が無ければ、外気と室内の温度を遮断できずに、寒い時には室内も寒くなり、暑い時には室内も暑くなってしまいます。
また、断熱材を入れることで壁に厚みを作れるため、防音効果も期待できます。
さらに、湿度も調整されるのでカビや結露の予防になるだけでなく、それが原因になる身体への影響も減らせる可能性もあるでしょう。
このように、断熱材は快適な住環境を守るために必須の設備であり、重要です。そのため、適当に決めるのでなく、性能の高い断熱材や施工方法を選択しましょう。
2.ウレタン吹付断熱のメリット
ここからは、ウレタン吹付断熱のメリットとデメリットを紹介します。断熱材を選ぶ時には、メリットだけでなく、デメリットも把握しておかなければなりません。
完璧な断熱材があるわけではないので、どこを重要視するかを決めて、断熱材を選択しましょう。
まずは、ウレタン吹付断熱のメリットを3つ紹介します。
- 断熱性能が高い
- 防音性がある
- 結露やカビが発生しにくくなる
- 劣化しづらい
それぞれのメリットを詳しく解説します。
メリット1.断熱性能が高い
ウレタン吹付断熱は、ウレタンを発泡させて壁と壁の間に吹き付けるため、密度が高く、断熱性能が高いといわれています。
無数の空気を含んだウレタンが、外気と室内の空気を遮断してくれるため、熱を通しにくく、外の気温の影響を受けにくいのです。
さらに、現場で吹き付けて充填するため、隙間ができにくい特徴もあります。
メリット2.防音性もある
ウレタン吹付断熱は、外壁と内壁の間に隙間なくウレタンを吹き付けて密着させるため、防音効果もあります。
無数の空気が壁の中にあることで、外からの音が伝わりにくくなり、防音性を高めてくれます。
もし、近くに大きな道路が通っていたり、人が集まる場所があったりする場合には、防音性は重要ですので、ウレタン吹付断熱が適している可能性があるでしょう。
メリット3.結露やカビが発生しにくくなる
ウレタン吹付断熱は、気密性が高いため、壁と壁の間に空間ができにくく、結露が発生しにくいのもメリットの一つです。
結露が発生してしまうと、カビの原因になり、住人の身体へも影響を及ぼす可能性もあります。
さらに、結露により木材が腐食してしまい、住宅の劣化を早めてしまう可能性もあるので、できる限り結露の発生は予防したいところです。
メリット4.劣化しづらい
一般的なグラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材は、湿気や結露にさらされると湿気を吸収しやすくなり、それが原因で結露やカビが発生し、時には繊維が垂れ下がることがあります。
ウレタン吹き付け断熱は密着性が高く、構造躯体にぴったりと密着しておりますので、劣化による垂れ落ちの心配がありません。これにより、優れた断熱性能が長い期間にわたって持続します。
3.ウレタン吹付断熱のデメリット
ウレタン吹付断熱は、メリットばかりではなく、デメリットもあります。ウレタン吹付断熱のデメリットは主に以下の2つです。
- コストが掛かる
- 施工技術で性能が異なる
それぞれのデメリットを解説するので、参考にしてください。
デメリット1.コストが掛かる
ウレタン吹付断熱は、他の断熱材と比較すると価格が高い傾向にあります。
断熱材は、壁だけでなく、床や天井にまで張り巡らせる必要があるため、住宅の広さに比例して価格が変化します。
断熱材の価格が上がれば、住宅の建築に必要なコストも増えるため、予算と相談しながら断熱材も選ぶ必要があるでしょう。
デメリット2.施工技術で性能が異なる
ウレタン吹付断熱は、出来上がった断熱材を敷き詰めるのでなく、施工現場で吹き付けて充填させます。
隙間なく充填できれば良いですが、施工技術が十分でないと隙間ができてしまい、断熱性能や防音性が落ちてしまう可能性があります。
そのため、依頼する住宅会社の施工実績をよく聞いた上で、断熱材を検討する必要があるでしょう。
ウレタン吹付断熱は、デメリットもありますが、メリットが大きいため、予算があり、できるだけ快適な住環境を実現したい方へおすすめの断熱材の一つです。
4.断熱材の種類
断熱材にはウレタン吹付断熱以外にも多くの種類があります。断熱材の種類は大きく分けると、主に以下の3つに分類されます。
- 繊維系
- 天然素材系
- 発泡プラスチック系
それぞれの断熱材の特徴を簡単に紹介します。
繊維系
繊維系の断熱材は、ガラスなどの原料を繊維状に加工し、隙間に敷き詰めて断熱します。
繊維系の断熱材には、「無機繊維系断熱材」と「木質繊維系断熱材」に分けられます。「無機繊維系断熱材」にはグラスウールやロックウールがあり、鉱物が原料として使用されています。「木質繊維系断熱材」には、インシュレーションボードがあり、木質系素材が原料として使用されています。
繊維系の断熱材は、低価格や耐火性に優れているメリットがある一方で、湿気に弱いため結露対策が必要になるなどのデメリットがあるため、慎重に検討しなければなりません。
天然素材系
天然素材系の断熱材は、自然の素材を利用し断熱材として活用するため、住宅を可能な限り自然素材で作りたい人に人気があります。
天然素材系の断熱材には、主に以下のような種類があります。
- 木の皮などを利用したフォレストボード
- 新聞紙や古紙をリサイクルしたセルロースファイバー
- 羊の毛を使ったウール断熱
- コルクを使った炭化コルク
天然素材系には、調湿性能や防音性能に優れていたり、結露が発生しなかったりするメリットがある一方、生産量が少ないため、他の断熱材に比べてコストが掛かったり、施工できる住宅会社が少なかったりするデメリットがあるため、強いこだわりがない場合には、選択肢から除外されるでしょう。
発泡プラスチック系
発泡プラスチック系の断熱材は、プラスチックを素材として、発泡した気泡の中にガスを閉じ込めて断熱します。
発泡プラスチック系には、主に以下の4種類があります。
- ビーズ法ポリスチレンフォーム
- 押出法ポリスチレンフォーム
- 硬質ウレタンフォーム
- フェノールフォーム
発泡プラスチック系の断熱材は、湿気や水に強く結露が発生しにくかったり、素材が軽いため施工が簡単であったりする一方、耐火性に弱いなどのデメリットがあります。
ただ、施工が比較的簡単であり、隙間なく断熱材を敷き詰められるため高断熱が実現できます。
5.グラスウール貼り付け、セルロースファイバー吹付、ウレタン吹付断熱の比較
ウレタン吹付断熱は広がりつつありますが、まだグラスウールやセルロースファイバーも一般的に使用されています。
そこで、ここでは一般的に使用されているグラスウール貼り付け、セルロースファイバー吹付とウレタン吹付断熱を比較します。
どの断熱材を使用するか検討している方は、参考にされてください。
グラスウール貼り付けとは?
断熱材のグラスウールは、ガラスを細かく糸状に加工した断熱材で、その多くはリサイクルガラスを使用しているため、環境にも優しく、価格は安い傾向にあります。そのため、断熱材として広く使われています。
ガラスが原料に使われているため、燃えにくく、虫にも食われにくいのも特徴の一つです。
ただ、吸湿性はないため水に弱く、湿気が増えてしまうと断熱性能が下がる可能性もあります。
セルロースファイバー吹付とは?
新聞紙や古紙を細かく砕いたセルロースファイバーを接着剤と一緒に吹き付けて固定する断熱工法です。
セルロースファイバーは、自然素材を使用するため、地球に優しいだけでなく、人の身体にも優しい素材といえます。
セルロースファイバー吹付は、他の断熱工法よりもコストが高くなりがちで、吸水性に乏しいデメリットがあります。
しかし、施工技術が高ければ気密性が高くなりやすく、断熱性能が高い住宅になります。
グラスウール貼り付け、セルロースファイバー吹付、ウレタン吹付断熱の比較
グラスウールり付け、セルロースファイバー吹付、ウレタン吹付断熱の比較を以下の表にまとめました。
比較内容 |
ウレタン吹付断熱 |
グラスウール |
セルロースファイバー吹付 |
---|---|---|---|
コスト |
◯ |
◎ |
△ |
断熱性能 |
◎ |
◯ |
◎ |
吸水性 |
◎ |
△ |
△ |
耐火性 |
△ |
◎ |
◎ |
- 断熱性能はウレタン吹付断熱とセルロースファイバー吹付が高い傾向にある
- 価格はグラスウールが安く、セルロースファイバー吹付が高い
- 湿気にはウレタン吹付断熱が強い
- 燃えにくさであればグラスウールかセルロースファイバー吹付
それぞれに良い面がありますが、それぞれの素材でグレードもあるため、一概に当てはまるわけではありません。
しかし、素材による特徴を十分に理解しておくと、住宅に適した断熱材を選べるので、住宅会社に使用する断熱材については確認しておきましょう。
6.ウレタン吹付断熱にする前に住宅会社に確認を
ウレタン吹付断熱を選択する前に、建築を依頼する住宅会社に使用できるかを確認しておきましょう。
特に、吹付断熱になると施工する業者の技術によって断熱性能が変わってしまう可能性もあるため、今までの施工実績についても確認が必要です。
さらに、ウレタン吹付断熱の場合、施工する住宅会社によって厚みが変わってくるため、どの程度の厚みで施工するかも重要です。
ウレタン吹付断熱の厚みが変わることで、断熱性能、気密性能、防音性能に違いが出ます。厚くすればするほど、空気が外に逃げにくくなるので、暖かく快適に生活できます。
弊社でもウレタン吹付断熱を使用しており、壁面では他の業者より3〜5センチ厚い10.5センチ、屋根面では24センチもの厚みをつけて施工しています。
7.まとめ
今回は、ウレタン吹付断熱についてメリットとデメリットを交えて解説しました。
ウレタン吹付断熱は、空気を含んだウレタンを壁と壁の間に充填し、隙間を無くして断熱する方法です。
無数の空気で隙間を埋めるため、断熱性能も高く、防音に優れています。ただ、コストが掛かるデメリットがあることも理解しておきましょう。
一般的に使われるグラスウールと比較しても、断熱性能は高く、吸湿性もあります。
依頼する住宅会社によって、施工技術が異なるため、実績を十分に把握した上で依頼するように注意しておきましょう。
断熱材は住宅の性能を高めるために必須です。できる限り妥協せずに、性能の高い断熱材を選ぶことをおすすめします。
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