住宅価格は2020年以降から高騰し始めており、2022年には約20％ほど上昇しています。新しく住宅を建てようと考えているけど、いつ建てればよいか悩んでいる方も少なくないはずです。

住宅価格が高騰している理由には、低金利や円安などがあり、今度もいつ価格が下がるかわからない現状があります。

そこで、本記事では、住宅価格が高騰している原因を詳しく紹介しつつ、今後いつ下がるかどうか、下がることがあるのかについて解説します。

記事の後半では、住宅を購入する前に準備できることについても紹介しているので、これから住宅を建てようと考えている方は参考にされてください。

 

1.住宅価格が上がっている原因

住宅価格が高騰している主な原因は、以下の3つがあります。

低金利とコロナ禍後による需要増加

日本は他の国と比べると圧倒的に低金利です。そのため、住宅ローンを借りる際の金利も低い状態が長年続いています。

住宅を購入するほとんどの人が住宅ローンを使用するため、低金利の状態が続くと住宅購入の需要が高まります。その結果、住宅の価格が高騰してしまうのです。

それに加え、コロナによりリモートワークが普及したことで、よりよい住環境を求める人が増加しました。首都圏のマンションよりも郊外に戸建てを購入したいというニーズが増えているようです。

円安と資材の高騰

住宅の建築に使用されている材料は、輸入に頼っている場合がほとんどです。そのため、円安が進むにつれて、材料費が高くなってしまいます。

現在の日本は歴史的な円安が続いているため、住宅の建築に使われる材料の費用も高い状態が継続しており、住宅価格を押し上げている現状があります。円安は未だに続いており、いつ収まるのかわからないため、材料費の高騰も継続していくでしょう。

さらに、2021年ごろから世界的に建設資材そのものが不足し始めており、木材の価格が高騰しています。経済産業省によると、木材・木製品の価格推移は2021年5月以降前年同月比で50％以上の上昇が続いているようです。

※引用：新築戸建て住宅売買業と木材価格の推移｜経済産業省

住宅建設の原材料となる木材価格が高騰していることで、販売価格にも影響が出ているのです。

人材不足による建築費の高騰

低金利や円安により建築費が高騰していることに加えて、日本は少子高齢化により若者が減少し、労働者不足が続いています。

建築業界も同じように、労働者が減っているため、業者同士の競争が激しくなり、賃金上昇が起こっています。

賃金上昇が続くことによって、住宅を建築する際の人件費も高くなってしまうため、住宅価格の高騰に繋がっているのです。

 

2.住宅価格は今後下がるのか？

住宅価格が高騰している原因が低金利や円安であることはわかりましたが、ではいつ価格が落ち着くのか知りたい方も多いはずです。

ただ、住宅価格が高騰している原因が金利や円安の動向に依存している限りは、いつ価格が下がるのかを知ることはできません。なぜなら、金利がいつ上がるのか、いつ円高になるのか正確にわからないためです。

住宅価格が今後下がるかについては、誰も予想できないことを理解しておきましょう。

 

3.住宅を購入するなら今が良い理由

住宅価格が今後下がるかわからないのであれば、いつ住宅を買えば良いのでしょうか。

もし可能な限り早く住宅を買いたいと思うのであれば、早い方が良いかもしれません。なぜなら、金利がいつ上がるかわからない上に、円安がさらに進行する可能性があるためです。

特に金利については、他の国と比べても圧倒的に低水準の状態が続いているため、いつ上がってもおかしくない状態です。金利が上昇すると、住宅の需要が下がり、住宅価格が下がる可能性もありますが、住宅ローンを借りて購入を考えているのであれば、金利が上がることによって、支払わなければならないお金が増えてしまうことも考えられます。

固定金利などの長期金利については、すでに上昇し始めているため、早く住宅を買わなければ、金利が高い状態で住宅ローンを借りることになってしまいます。

また、円安においても今後いつ円高になるのかわからないだけでなく、さらに円安が進む可能性があります。円安が進んでしまうと、輸入する建築材料もさらに高騰してしまうため、今以上に住宅価格が上がるでしょう。

以上の理由により、住宅価格がさらに高騰してしまう前に住宅を購入した方が良い選択肢といえます。

 

4.住宅を購入する前に準備しておくべきこと

住宅価格の変動により、いつ住宅を買えば良いかわからない場合においても、いつでも住宅を買えるように準備しておくことは大切です。住宅を購入する前にしておいた方が良い準備には、主に以下の5つがあります。

断熱性能や住宅の機能について勉強する

住宅を購入する前には、断熱性能などの快適な生活環境を実現するための住宅の機能について事前に勉強しておくことが大切です。

住宅の機能について勉強しておかないと、快適に生活できる住宅がどのようなものかわかりません。また、建築を依頼する住宅メーカーを選ぶ際、どこの会社が性能の高い住宅を建てているかの実績を調べる際に住宅の機能について理解しておかないと、良い選択ができない可能性があります。

住宅会社と相談する際にも住宅の機能についても知識は重要になるため、事前に勉強しておくことが良い住宅を建てる上で重要なことです。

理想の住宅イメージを考える

住宅について勉強した後には、ある程度の理想の住宅イメージを考えておくと良いです。理想の住宅イメージを考えておくことで、住宅のなにを重要視しているのかを理解できるためです。

理想の住宅イメージを考える際には、家族の意見を聞きつつ、住みやすい環境を実現するためにこだわる部分に対して優先順位をつけておくと良いでしょう。こだわる住宅の設備に優先順位をつけることで、もし予算がオーバーした時に削る箇所が明確になるメリットもあります。

住宅展示場などで実際に見てみる

理想の住宅イメージがうまく沸かない時には、住宅展示場や完成見学会に参加して、どのような住宅が良いかを調査するのも方法の一つです。

実際には、住宅展示場よりも完成見学会がおすすめです。住宅展示場に建てられている家は、通常よりもグレードが高いものばかりです。しかし、完成見学会は実際に注文された家を見れるため、どのような家が建てられるかイメージしやすくなります。

理想の住宅を建ててくれるハウスメーカーを調べる

ある程度理想の住宅イメージが完成したら、理想の家を実現してくれるハウスメーカーを調べる必要があります。ハウスメーカーによって、得意な建築方法やデザインが存在するため、今までの実績を十分に調査し、理想の住宅を建てられるか確認が必要なためです。

地域のハウスメーカーをまとめた雑誌等も販売されているため、参考にすると良いでしょう。

実際にハウスメーカーに相談する

ハウスメーカーについて調べて、2〜3社ほどに選択肢を絞ったら、実際に話を聞きに行きましょう。担当者と詳しく話をすることで、意見を汲み取ってくれるのかどうかや対応が良いかどうかがわかるためです。

その場で契約を決めるのでなく、2〜3社との打ち合わせが終わってから選択すると後悔なく進められるでしょう。

 

5.まとめ

今回は、住宅価格が今後下がるかどうかについて詳しく解説しました。

住宅価格が高騰している原因として、低金利とコロナ禍による需要増加、円安と資材の高騰、人材不足による建築費の高騰の3つが挙げられます。しかし、この3つの原因がいつ変わるかわからないため、住宅価格も今後どのように推移していくかはわかりません。

そのため、今家が欲しいと思うのであれば、すぐに行動に移したほうが良いでしょう。さらに住宅価格が上がってしまう可能性があるからです。

事前に住宅購入の準備をしておくことが大切ですので、本記事を参考にしてください。