2023.01.09
住宅を高断熱にするメリットとは?2種類の断熱工法と合わせて解説
新築住宅を建てる上で、断熱性は重要視しなければならない項目の一つです。
デザインや間取りばかりに目が行きがちですが、住宅の機能性である断熱は、快適な生活を送る上で必要不可欠だからです。
そこで、本記事では住宅における断熱について詳しく解説し、その重要性とメリット、デメリットを解説します。
記事の後半では、断熱性を上げるために必要なことも紹介しているので、これから新築住宅の建築を考えている人は最後までご覧ください。
一年中快適な暮らしを実現したい方へ
- 心地よい室温で、夏はカラッと涼しく、冬はしっとり暖かい
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1.住宅における断熱とは?
住宅における断熱とは、漢字のとおり「外からの熱を断つ」ことです。外気温の影響をできるだけ少なくし、快適な室温で生活するためには、断熱性が重要といわれています。
例えば、暑い夏に断熱性の低い家にいると、外気温がそのまま住宅内に影響して、室内の温度も上がってしまいます。
特に、寒い地域での断熱性は重要で、経済産業省で公開されている「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断と基準」でも、年間暖冷房負荷(いわゆる断熱性能)の基準は地域によって定められています。
後述しますが、断熱性を上げるメリットは大きく、断熱性を無視してしまうと、室内の気温は不安定で、快適な生活を送ることはできません。
2.断熱性を高めるメリット
断熱のメリットとデメリットを十分に理解した上で、住宅のどの部分を重要視して建築するかを検討しましょう。
住宅の断熱性を上げるメリットは複数ありますが、主に以下の3つが挙げられます。
- 冷暖房の効率が良くなる
- 冷房器具・暖房器具などの電化製品が長持ちする
- 建物内部の温度差が小さくなる
それぞれのメリットを詳しく解説します。
1.冷暖房の効率が良くなる(光熱費の削減効果)
住宅の断熱性が上がると、冷暖房の効率がよくなります。
例えば、寒い冬に断熱性が低い家に住んでいると、壁や天井が冷たくなり、室内の温度が下がります。下がった温度を上げようと、冷暖房器具が頑張るため、効率が悪くなってしまうのです。
しかし、断熱性が高ければ、外気温の影響を少なくできるため、冷暖房の効率も良くなり、室内の気温を一定に保ちやすくなります。
冷暖房の効率が上がれば、その分電気代も抑えることができるので、断熱性を上げられれば、快適な生活を送れるだけでなく、家計にも優しい住宅になります。
2.冷房器具・暖房器具などの電化製品が長持ちする
一つ目のメリットである冷暖房の効率が良くなると、冷暖房器具の寿命が長くなります。室内の温度が一定に保たれることで、冷暖房器具が余計に動かなくて良くなるためです。
断熱性能が高いと、電気代が安くなるだけでなく、冷暖房器具の買い替え費用も抑えられる可能性があります。
3.部屋別の温度差が小さくなる
住宅の断熱性能が高いと、部屋や浴室などとの温度差が小さくなります。温度差が小さくなることで、部屋を移動した時にも快適な温度で過ごせます。
さらに、浴室と脱衣場の温度差によるヒートショックの予防にもなるため、温度差を小さくするメリットは大きいといえます。
3.断熱性を高めるデメリット
断熱性が高い住宅はメリットばかりではありません。断熱性が高いデメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
- 空気がこもりやすくなる
- 結露が発生するリスクがある
- 断熱材や建築資材などのコストが掛かる
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
1.空気がこもりやすくなる
断熱性が高い住宅は、気密性も高くなるため、室内の空気がこもりやすくなります。できるだけ隙間の無い住宅となると、空気は侵入しづらいためです。
そのため断熱性や気密性と併せて、換気効率も考えられて住宅は設計される必要があります。断熱性と換気効率は両方とも考慮しましょう。
2.結露が発生するリスクがある
断熱性の高い住宅では、外気温と室温に大きな差が生まれるため、見えないところに結露が発生するリスクがあります。
外壁と断熱材の間であったり、屋根裏だったりと見えない場所で結露は発生します。
しかし、現在は吸湿性の高い断熱材を使うなど対策が十分に取られている場合がほとんどです。
そのため、住宅を建てる際には、依頼する住宅会社に結露対策が取られているかを十分に確認しておく必要があるでしょう。
3.断熱材や建築資材などのコストが掛かる
断熱性の高い住宅を実現するためには、断熱性の高い断熱材や建築資材を使う必要があるため、建築費用が高くなる傾向にあります。
現在は高性能の断熱材や建築資材を標準で提供している住宅会社も多いため、建築の依頼をする前に十分に確認をしておきましょう。
建築費用が安い住宅会社でも、標準装備の性能が低く、性能をあげるために別途費用が掛かる場合もあるので、注意が必要です。
4.断熱工法の種類
住宅の断熱性能をあげるためには、主に以下の2つの工法が使用されます。
- 充填断熱
- 外張り断熱
それぞれの工法の種類には、メリット、デメリットがあるので、詳しく解説します。
充填断熱
充填断熱とは、外壁と内壁の間や天井に断熱材を充填する工法です。現在の日本の住宅では、充填断熱が一般的です。
充填断熱のメリットは、外気との接触が少ないため、経年劣化がしにくく、断熱性が長続きする点です。
さらに、外張り断熱と比べるとコストが安いのもメリットといえるでしょう。
充填断熱のデメリットは、施工技術によって断熱性能が変わってしまう可能性がある点です。
断熱材を人の手で壁と壁の間に充填していくため、技術が低いと隙間が空いてしまい、断熱性能が落ちる可能性があります。
施工する業者の実績を確認したり、施工後に性能を調査してもらい、断熱性能を確かめると良いでしょう。
- 経年劣化がしにくく、断熱性が長続きする
- 外張り断熱と比べるとコストが安い
- 施工技術によって断熱性能が変わってしまう可能性がある
充填断熱をする際は、技術ムラの少ない吹付工事がおすすめです。吹付にすることで断熱材が隙間なく柱間に密着し、断熱性・気密性・防音性が向上いたします。
外張り断熱
外張り断熱とは、外壁と柱の間に断熱材を入れる工法です。
充填断熱は柱の横に断熱材を充填しますが、外張り断熱は柱の外側に断熱材を貼ります。そのため、隙間が出来にくく、断熱性能が高いメリットがあります。
しかし、外張り断熱は充填断熱と比べるとコストが高くなるデメリットもあるので、予算と相談しながら検討が必要です。
さらに、充填断熱よりも経年劣化が早い傾向にあるので、住宅会社と十分に相談した上で決定しましょう。
- 断熱性能が高い
- 充填断熱と比べるとコストが高い
- 経年劣化が早い
5.断熱性を上げるためには
住宅の断熱性をあげるためには、性能の良い断熱材を使用することと、施行技術の高い住宅会社に依頼する必要があります。
どんなに高い性能の断熱材を使用していても、施行する業者の技術が悪ければ、隙間ができてしまい、断熱性を上げることはできません。
断熱材は価格が安いものから高いものまで幅広く販売されています。
住んでいる地域によって必要な断熱性は異なるため、依頼する住宅会社とも十分に話し合いましょう。
6.まとめ
今回は、住宅の断熱性能の重要性やメリット、デメリットについて解説しました。住宅における断熱性能は、快適な生活を送るために必要不可欠です。
断熱性をあげるメリットは、快適な室温で過ごせる以外にも冷暖房の効率が上がったり、部屋別の温度差が減らせたりが挙げられます。
ただ、断熱性能を高くすれば、コストが高くなるデメリットがあることには注意しておきましょう。
断熱性を高めるためにおすすめなのが、充填断熱の吹付工法です。断熱材が均一に密着するため、断熱性・気密性・防音性が向上します。
住宅を建てる際には、デザインや間取りに目がいきがちですが、断熱性能などの機能性にも目を向けて、快適な新築生活を送れるようにしてください。
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